県民フォーラム「みんなで考える自殺予防」
日曜は県民フォーラム「
みんなで考える自殺予防」というフォーラムに参加しました。
当日は3部構成 まず最初は
【倉嶋厚氏の講演】
「やまない雨はない~妻の死、うつ病、それから・・・」と題して講演がありました。
倉嶋厚氏プロフィール
1960年代生まれの俺にとって倉嶋さんは「NHKのなどで天気概況などを優しく語っていたおじさん」という印象があります。
が・・・・
奥さんを亡くしてから、そのショックでうつ病となり、自殺寸前まで考え、ビルの屋上にたったことがあることを聞きそれまでの印象が大きく変わりました。
うつ病のため、精神科に入院したこと、そしてうつ病についてをいろいろ勉強したことなどを時には笑いを交えながら話されているのを聞き驚きと共に、その壮絶な経験に心打たれました。
その中で印象に残った話を少し・・・・・
・夫婦の関係は5+5であるべき
もし 家のことを 夫5 妻5 の能力でやっていたら 5+5の関係で家庭のことをするべきである。
それを 夫:家事や家庭以外のこと(仕事が)全て 妻:家事や地域や教育など全て という形(それを5×5と表していました。)にしてしまったら両方居るときは良いが、どちらかが0(ゼロ)となったら 5×0 で ゼロになってしまう。
だから家庭は5×5の関係ではなく、必ず自立してお互いのある程度のことは出来るような形の方がいい・・・そんなことを言われていました。
・うつになったら 環境整備 と 休むこと が重要
環境整備:家事や収入、仕事などうつによって不足するもの、失うものに対してなんらかの形で補える様に準備する。(例えば電話相談や公的保障などで補うなど)。そしてそれら準備と合わせて
「休む」ことが最も大切である。
・「かくあるべき」「こうでなければならない」という考えは捨てる
その「ねばならない(must)」という気持ちと現実のギャップに自分が苦しんでしまう原因となる。欠点もあるがありのままの自分でいいと自分を認めることが大切。
最後に3つ大切なことを話されていました。
(1)ずっと先のことを心配しても仕方がない
(2)天気と同じで人生の長期予報も当たらない
当たらないものを心配するな!!
(3)その時の気持ちを書いたり、話したりすることが大切
周りの人はその話を聞いてあげて欲しい そう言われていました。
自身がうつ病で壮絶な経験をし、そこから戻ってきた倉嶋氏にしか話せない経験の重みというものをずっしりと感じました。
第二部は「うつ病を正しく知って治すために」という専門医の方からうつ病のついての医学的な話をされました。
それを聞いて思ったこと・・・
「あ~あの時(2年前)の俺って小うつ病だったんだ・・・・」そんな思いでした。
・疲れているのに眠れない。寝不足
・食欲がなくなる。
・自分を責める。
・物事を進められない。決断出来ない。
・何をやってもつまらない、楽しくない、喜びがない。
・自殺を繰り返し考える。
うつ病のチェックについてはまだもう少しありましたが、先生の話を聞きながら当時の自分を思い出して改めて状態を思い出していました。
第3部はパネルディスカッションでした。ここで参加者の方からの質問ということでいくつか
コーディネータの方が質問していましたが・・・・。
正直「そんな回答でいいの?」と感じていました。
質問者の中にはかなり切羽詰まっているな・・・そう感じる質問があったのですか、回答は通り一遍の回答「お配りした資料にある電話にお電話していただければ・・・」というような趣旨の回答でしたが、質問者はそんな回答を望んでいるの?と感じました。
「必ずあなたの力になれると思いますから、是非この番号○○○-○○○○に連絡して下さい!!」
そう力強く伝えた方が質問者の心に響くのに・・そう感じていました。
質問された方は「何とか助けて欲しい」「具体的な話を聞きたい!」そんな思いで質問を書いて応募してきたと思うのですが、あの会場での回答はそんな人達へのこれからの道標になったのだろうか?と聞いていて正直感じていました。
質問した方に少しでも希望を持ってもらう・・・そんな話をしてあげないと今回のフォーラムに期待した分、ますます泥沼に嵌っていくようにも感じました。
さて なぜ今回の様なフォーラムに参加したのか?ですが・・
俺の親父は小学4年の冬に自殺しました。頭から灯油をかぶった「焼身自殺」でした。
親父が自殺した後は、やはり自分を責めていました。
「どうして止めれなかったのか?」と・・・
子供だったので「大人を止めるのは無理だった」と今は思えますが、生きていた親父と最後に言葉を交わした者として自分の心の中に自殺の直後から数十年はずっと自責の念を胸に抱いていました。
その後結婚もして、生活が安定して親父の自殺した年に近づいた時、うつ病のような状態になりました。
「何をしても心が晴れない」
「寝不足が続く」
「仕事をうまく回していけない」
「自分を責める」・・・
正直、親父の自殺の呪縛からやっと気持ち的に離れることが出来たのに、その親父の年齢に近づいた時に
こんなうつのようになるとは・・・そう思い暗澹な気持ちになりました。
「もしかして自分は親父のようになるのかも・・」と・・
その後会社を辞めて転職、その間にコーチングに出会い少しずつ心の変化があり、多くの人のおかげで
そんな状態を乗り越えることが出来ました。
心が疲れていた当時の自分に今の自分から伝えることがあるとしたら多分こんな言葉をかけるような気がします。
「今は少し休む時、ゆっくり休もうよ。
あなたはあなたのままでいいんだから・・・」
そんな言葉をかけるだろうと思います。
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