「遺体―震災、津波の果てに 」 

GP

2011年11月08日 00:21

 震災以降 支援の活動を続けてきましたが、ある方から薦められた本です。 

震災に関して多くの書籍や写真集など発売されていますが、この本は全く別の視点で書かれた本です。

 「遺体―震災、津波の果てに 」 著者:石井 光太

ヘビーな内容を書いていますので以降は読みたい方だけ読んで下さい。


 今活動している長野市災害ボランティア委員会でボランティアを派遣する場合、遠野を通り釜石の街を経由して大槌に入るコースを辿ります。

その海岸の街 釜石で震災直後から、遺体の捜索、確認や搬送、葬儀などに関わった方々のインタビューをまとめたドキュメント本です。

 被災直後の釜石の街 それも海側の街で起こっている惨状が内陸側に住む人々に直後には伝わらなかった様子や目の前で助けを求められながら為す術なく、助けられなかったことへの後悔・・・

 また遺体の年齢に「生後100日」と書かれるご自分のお孫さんを自分の手で遺体安置所に運んできた祖母と、その祖母から遺体を受け取った安置所の方・・・・

 ここに登場された方々の多くは地元釜石で暮らし、震災でたまたま遺体に関わる様々なことに従事されたごくごく普通の方々の声が詰まっています。

 遺体となって見つかった方々とその遺体となった友人などを検視する地元のお医者さん。。。。。


あの震災で多くの方が亡くなりましたが、その亡くなった方を自分の心と葛藤しながら弔い、送った我々と同じ市井の人々の思いが詰まった本です。

震災から8ヶ月たちましたが、未だ行方不明だった遺体が見つかった との記事もありました。

本屋さんに行く機会があったら手にとってお読み下さい。


追記
本の中にはかなり凄惨な状況が書かれている箇所もあります。
この本を読むかどうかはご自分で考えてから購入の判断をして下さい。

11月8日追記
途中まで読んでいてこの記事をアップしましたが、昨日読み終えました。
最後に「エピソード」として2ヶ月後に現地を訪れた時の様子が書かれています。

この最後のエピソードがなければ読後感はただただ苦しいものだったでしょうが
このエピソードがあったからこそ救われると感じました。

そしてこの本が伝えたかったことは、この最後の数ページに全て凝縮されていると感じました。

関連記事