2010年09月16日

「春との旅」を観て

 さて 先日「春との旅」という映画を観に行きました。



以前「王様のブランチ(かな?)」でこの映画紹介を見てちょっと興味を持っていたのですが
友人から招待券をいただいたのでいい機会・・と思い行ってみました。

ここからはネタバレありますので、それでもよければどうぞ!!^^

 主人公は年老いた漁師である忠男(仲代達矢)とその孫娘である春(徳永えり)

ストーリーは公式HPに書いてあるので、そちらを参考にしてもらった方がいいでしょう。

オープニングでは突然、この2人が北海道の増毛にあるボロボロの家から出て行くところから始まりますが
2人の間にある険悪な雰囲気からもタダならぬ旅立ちだな~・・・そんな雰囲気が伝わってきます。

そしてこの2人が忠男の兄弟を訪ねる形で映画が進むのですが・・・

いや~この仲代達矢演じる忠男ってじいさん(笑)って見てて胸くそ悪くなるくらい根性曲がっています^^;それまでの自分のことを棚に上げて言いたい放題、したい放題・・・。

こんな生活続けてきたら、いくら兄弟とはいえ確かに鼻つまみ者になるだろうな・・そんな風に思えるくらいの根性曲がりなじいさんでした。(笑)


でもね・・・

兄や姉、弟のところを忠男が訪ねて廻る中で、このどうしようもなく嫌っている忠男に対してそれぞれが何らか形でも何か手助けしてあげたい・・・そんな気持ちが画面からも伝わってきました。
でも、その兄弟達自身もいろいろな理由(老人ホームへ行ってしまう 又 刑務所にいる そして 事業に失敗し日々ぎりぎりの生活している・・・など)で世話をすることが出来ない・・・その事への無力感と寂寥感、そんな気持ちが伝わってきたのが救いではありました。


春自身も祖父がそれまで疎遠になっていた兄弟達と会う旅に同行していく中で、自分とお母さんを捨てた(それにも理由があるのですが・・)父である真一(香川照之)に会いに行く決心をします。

物語の終盤では、その血縁もない義理の息子夫婦からの同居の申し出に敢えて背を向けるのですが、肉親である兄弟より、短い間だったけど一緒に生活した他人からの同居の申し出を受けた時の忠男の何とも言えない嬉しそうな顔が印象に残りました。

 物語の最後を観て悲しい結末のように感じる人がいるかもしれませんが、俺はあの結末はハッピーエンドだと感じています。

 それは何故か?


忠男は兄弟達に再会する旅の中で、それまでの自分の過ちや他の人達に迷惑をかけてきたことに対する兄弟達からの非難を受け、自分の人生が虚しいものに感じます。

でも、そんな忠男にでさえも一緒に生活しようと言ってくれる人がいる そして 何より自分とこれからもずっと一緒に居ると宣言までしてくれる孫娘 春がいる・・・・。

そんな自分に関わってくれる周りの人達の暖かさにきっと忠男の気持ちも少しだけ人の暖かさを感じることが出来たのでは?そんな風に思うのです。。
そして春にとっては、そこから彼女自身の人生を歩むきっかけとなれば・・そうも思いました。


老いとは?肉親とは?人との繋がりとは?これからの人生で経験するであろういろいろな悩みを見せてくれながら少し救いも見せてくれた・・・見終わった後にそう感じるいい映画でした。


 

タグ :春との旅

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Posted by GP at 02:35│Comments(5)映画
この記事へのコメント
おはようございます


この映画は

仲代さんだから 成立した 映画だと 思いました

渡辺 謙さんの

『明日への記憶』も いい映画だったと思います

どうしても 見映えのいい 派手な 映画に 目がいきがちですが

一見地味なテーマであっても

人間が 避けては 通れない

根本的な苦悩の原因になる

生老病死を とりあげることで

それを観るものへ

より良い 人生とは

親しい人達に対しての 良い行いとは等々

多くの 様々な 問題提起を 与えてくれるでしょう

考えるという 機会を 与えられることは

その後の 人生に対して

改めて 責任を もてるような 気がします

ある種の 覚悟みたいなものでしょうか

どう 時代が 変わろうとも

人間の苦悩は 変わらないからこそ

映画や 書籍や 展示などの 啓発は

一人の人の 生き方を変え

共感を 周りに 与え

苦悩する人は それを 乗り越えていけるのではないかと 思います

やがて 人は 一人では 生きていけないことを 知るでしょう

受けた生は 自分の 意志で 勝ち取ったものでないから

簡単に 手放すことが できるのでしょうが

生を 受けた タイミングは

宝くじが 何万回 続けて 当たるほど

稀有な ことだと

気づいて もらいたいですね

環境に 負けない 自分を 作るには

たくさんの人と 関わることだと

わたしは 思っています

長くなり すみません
Posted by 安曇野 at 2010年09月16日 08:04
こんにちは 安曇野さま コメントありがとうございます。
ところで、コメントを書く上で次の2点について俺のお願いを聞いていただけますか?^^;

(1)簡潔で伝えたい事を絞って書いていただけますか?
安曇野さんも最後に「長くなりすいません」と書かれているので十分理解されていると感じていますが・・・・・。
出来ればアップされたつたない文書の中で安曇野さんの心に一番感じたことを短い言葉で書いていただければ、そこについて掘り下げて返信出来ると思うのです・・・^^
(2)是非 安曇野さんのblogのURLも一緒に書いていただきけませんが?
いくらネット上の事とは言え、所詮は「人対人」との関わり合いだと思っています。
今の状態だと書いた記事だけの反応であり、安曇野さんがどんな人で普段どんな事に興味を持っているかがよく分からず、一人の人としての安曇野さんの顔があまり見えてこない・・・それが非常に残念に思っているのです。
ネットでは嫌な思いする事はあります。でもそれもネットを使う上でのリスクであってそれも踏まえてblogなりを書く覚悟が必要・・・そう思っています。
そして俺はネットであっても感想書いてもらった人がどんな人かというのに興味を持ちます。それがきちんとした考えならなおさらです。
もしよろしければ・・・という前提ですが、安曇野さんという方がどんな人なのかを知る上で安曇野さんのblogを明示してくれる機会をもらえれば俺としてはとても嬉しく思います・・。^^

   かってなお願いとは思うのですが、ちょっとだけ考えていただけますか?
   よろしくお願いします。
Posted by GPGP at 2010年09月17日 18:13
お邪魔いたします


夜行での移動中でして

ゆっくり お返事を かけない状況なので

簡単ですが(2)のお返事をします

わたしのblogは

わたしの世界のバランスをとるためのものなので

オーディエンスが 増える きっかけは 避けたいです

このblogの世界で

静かに 暮らしたいです

もし どうしてもと 望まれるなら

わたしを お探しください

わたしは この世界に しばらくは います

わたしは 安曇野に 吹く風のように

とても 気まぐれです
Posted by 安曇野 at 2010年09月19日 03:20
こんばんは


さきほど 恋人のもとから 帰ってきましたので

(1)についての お返事を

普段 感想を 述べるという 習慣が ついてないのだと思います

ある出来事や 風物については

感想という形に 自然に なりますが

ある感想や書評に

感想を書くということは

書く方には刺激的なことでは ないようで

一意見を 述べるという 形に なるのだろうと思います

おしなべて 何かを 深く 論じ合うことは

互いの精神性が どこまでの Capacityをもち

それが 限りなく 同等であるか

そうでないかで

論点が ズレたり

論議の広がりに 限界がでてくるように

わたしは 感じていますので

深く 論じ合いたいと 思わない限り

その主題についての 論議は

あえて 避けます

もし そう思えば 相手に 質問を 投げかけます

たとえ顔が 見えなくても

言葉は 雄弁に その人を 語るものだと 思いますから

論議しあうことに 関していえば

さして不自由はないと

わたしは 思っています
Posted by 安曇野 at 2010年09月21日 00:07
こんにちは


先日は 失礼いたしました

先輩でいられる方に

大層 失礼な もの言いを してしまいました

わたしを お知りになりたいという 申し出も

事もなげに 断ってしまいましたが

そのことも お許し願いたいと思います

いつか そういう 機会が 巡りましたら

blogを 通して お付き合いが できると思います

それまでは どうか このままで いさせてください

季節を通し 日々 感じること 考えること

ありきたりな 日常であっても

わたしは 一つ 一つのことを

落ち葉拾いのように 拾い集め

慈しみ 温めるような

静かな 生活を 送っています

たまの 一人旅も

わたしには 大切な 時間です

以前 にも 書いたと思いますが

長野に 伺います

行きたい場所があります

また そのときは

どこに 伺うか お知らせします

人生とは 旅のようなものですね

寂寥とした思いを 胸の奥に 秘めていても

わたしは 大切な人たちの 笑顔を 見守って 生きています

そういう 生き方も あっていいように 思っています

今夜は 中秋ですが

お天気が 悪いようです

それが 残念でなりません
Posted by 安曇野 at 2010年09月22日 17:13
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